KBH所蔵 貴重本紹介 その13:バルバロ&デル・コル訳旧・新約聖書口語訳
バルバロ&デル・コル訳旧・新約聖書口語訳 1964(昭和43)年ドン・ボスコ社
玄関ロビーの書架の引出Aの貴重本を紹介する。ここに1976年刊行のフェデリコ・バルバロ(Federico Barbaro)&アロイジオ・デルコル(Aloysio Del Col)訳の旧・新約聖書口語訳(第8版ドン・ボスコ社刊行)が展示されている。バルバロ神父は1935年、カトリックの宣教師として来日。1947年より日本語(口語)訳聖書の刊行に着手し、1953年に新約聖書を完成した。デルコル神父は1936年宣教師として来日。1964年にバルバロと共に旧約聖書の第二正典を含め、更にほとんどの書簡の解説および欄外注が収められた旧・新約全巻を完成させた。これは日本カトリックが戦後20余年の歳月をかけ、完成した最初の口語訳の旧新約聖書である。二人は共にイタリア出身のカトリックのサレジオ会士である。バルバロは1965年、文部省より文化功労感謝状を贈られている。1970年、『キリスト伝』で日本翻訳文化賞を受賞。1990年講談社に版権が移った時、全体を改訳(バルバロ訳)した。1996年イタリアのポルデノーネにて死去。デルコルは病身にあって、多忙であっても、人々に奉仕し、温かく接した。1995年大分県で死去。(展示委員 池田憲廣)