122 KBH所蔵 貴重本紹介 その24 「ビブリア・ヘブライカ・クインタ」

ヘブライ語(旧約)聖書(Biblia Hebraica Quinta; BHQ) 
蔵書場所:玄関・ケースL 発行地:ドイツ・シュトゥットガルト 
発行所:ドイツ聖書協会(Deutsche Bibelgselschsft)
発行年度:2004~2012年 蔵書番号:948~951

本書「ビブリア・ヘブライカ・クインタ(BHQ)」は、前号で紹介した「ビブリア・ヘブライカ・シュトゥットガルテンシア(BHS)」の改訂版である。なぜクインタ(ラテン語で5番目の意)と称するかと言えば、前回改訂のBHSがルドルフ・キッテルの編纂した旧約聖書の校訂本の第4版であったからである。すなわちキッテルは第1版から始めて、今回、クインタで第5版の校訂を行っている。本版は以前の版と同様、レニングラード写本を底本にしているが、1990年代に撮られたレニングラード写本のカラー写真を修整したものである。前版の第4版とは異なり、脚注にマソラ本文を解説し、異文の意義を考察する注釈が含まれている。特にBHQでは、BHSの小マソラ(Masora parba)の註釈に加えて、大マソラ(Masora magna)の註釈を収めている。小マソラとは、本文の欄外の各頁の左右に記されたその頁中の特定の語や言い回しの頻度を旧約聖書マソラ本文全体で何回含まれているかを告げる観察的註釈であり、大マソラとは上下の欄外に記された、それらの語や言い回しの該当するマソラ本文の箇所をリストとして挙げたものである。前回のBHSでは別冊として出ていた。本書は分冊で出版されている。

前号の訂正 (発行地 : トゥットガルト→シュトゥットガルト)(展示委員 池田憲?)