117【巻頭言】「KBH20周年記念の年に」吉田 隆 氏
クリスチャンセンター
神戸バイブル・ハウス理事
KBHセミナー委員会委員長
神戸改革派神学校校長
日本キリスト改革派甲子園教会牧師
吉田 隆 氏
「KBH20周年記念の年に」
主イエス・キリストのご復活を心よりお喜び申し上げます。
ただ2000年前によみがえられたという歴史を記念するのではなく、“今も生きておられる”方を礼拝できることの素晴らしさを深くかみしめています。3年間マスクに覆われていた人々の顔からも徐々に覆いが取り払われ(ヨハネ20:7)、喜びの笑顔あふれる復活祭を迎えることができるのではないでしょうか。
さて、4月15日(土)には、神戸バイブル・ハウス創立20周年記念式典が執り行われます。標語は「Mission Forward! 進化・展開 ~希望のことばをひろめるために」です。阪神淡路大震災から5年目に三宮駅前のそごうで開催された「神戸聖書展」のために協働した人々が、聖書の紹介と普及のための超教派的拠点として発足させたのが神戸バイブル・ハウスです。復興していく街の一方で、震災によって傷ついた多くの人々の魂を癒すために神の御言葉を、と願ったからでしょう。
今、コロナ禍という世界的な災いを経て新たなステージに向かおうとしているこの時に、再び私たちは「希望のことばをひろめる」必要を強く覚えています。この3年間、体の健康は保たれたかもしれませんが、それと引き換えに心の健康、さらには魂の健康さえも損なってしまった多くの人々が(大人も子供も)いるように思えるからです。加えて、未だ戦火のやまない国々、大震災を髣髴とさせた大規模災害、世界的な物価上昇による生活苦など、明るい将来を描けない方々があふれています。
神戸バイブル・ハウスは、聖書という過去の産物を紹介する場所ではなく、“今も生きておられる”方の言葉をひろめる拠点です。20周年のこの年、まずはバイブル・ハウスそのものが、たくさんの笑顔が見られる場所となりますように願ってやみません。