124【巻頭言】「聖年と万博希望聖五月」前田 万葉 師

クリスチャンセンター
神戸バイブル・ハウス理事
大阪高松大司教区 大司教

前田 万葉 師

今年は、5月12日が主の昇天、19日が聖霊降臨の主日、26日は三位一体の主日、そして6月2日がキリストの聖体という神の愛と祝福の主日が続きます。主の昇天は、復活されたキリストが天に昇られ、わたしたちのために天に永遠の住まいを保証してくれます。聖霊降臨は、教会の誕生を記念する日であり、この祝日を通して、わたしたちは聖霊の働きを深く理解し、神の愛を広める使命を果たす重要な力をいただくことが出来ます。三位一体の祝日は、父なる神、子なるイエスキリスト、聖霊の神を賛美する日です。イエス・キリストの復活、昇天、聖霊降臨と祝った後にこの三位一体の祝日を通して、わたしたちは神の救いの業を賛美し感謝をささげ、信仰を深めます。そして、この神の恵みが満ち溢れるキリストの聖体の秘跡に与り、強められ、この恵みにまだ浴していない人たちをも招くように強められます。

ところで、来年2025年は特別な年です。25年に一回の聖年が今年12月24日から始まります。また、2025大阪関西万博が来年4月13日から始まります。わたしたちはこの恵みを、福音宣教につなげることが出来る素晴らしい機会にしたいものです。今回の聖年は、「希望の巡礼者」というテーマです。聖年の祈りの中の最後に、「聖年の恵みによって、希望の巡礼者である私たちのうちに、天の宝へのあこがれが呼び覚まされ、あがない主の喜びと平和が全世界に行き渡りますように。永遠にほめたたえられる神であるあなたに、栄光と賛美が世々とこしえにありますように。アーメン。」とあります。教会が、そして人類が「ともに神の国に向かって歩む」希望を呼び覚まします。この聖年に連動して、大阪関西万博のバチカン展(イタリアパビリオンの中に設置される)のテーマも「美は希望の扉を開く=美は希望をもたらす」です。バチカン博物館などの美術品を展示して福音のメッセージを伝えることになります。

2025年万博は、世界中から人々が集まります。「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマは、人間一人一人が、自らの望む生き方を考え、それぞれの可能性を最大限に発揮できるようにするとともに、こうした生き方を支える持続可能な社会を、国際社会が共創していくことを進めるものです。わたしたちは、この万博を通じて、福音宣教の機会を探求し、神の信望愛を広めるよう協働いたしましょう。バイブル・ハウスの活動を広め聖書の普及を促進する良き機会ともしたいものです。

出来るだけ大阪関西の教会施設を活用して「希望の巡礼者」を奨励することを考えましょう。具体的な企画として、現在、岡山聖虚作「日本二十六聖人聖画」(1931年に当時の教皇ピオ11世に献納したもので、15年かけて描いた等身大の26人の人物画)の修復と万博を機に里帰り展示を進めています。万博に集まる人々に希望をもたらし、未来への福音宣教に大いに寄与することでしょう。