128【会員教会を訪ねて】52 カトリック仁川教会

52 カトリック仁川教会
〒663-8006 兵庫県西宮市段上町4-2-11
TEL 0798-51-0176 FAX 0798-51-9863

やあ、いらっしゃい、ようこそ。仁川教会は初めてですか。ここへは電車で?大阪、神戸の真ん中だし、西宮北口と宝塚との、これまた中間だから便利なところでしょう?西を見れば六甲連山を背景にまろやかな甲山。その麓から流れ来る仁川の清流。澄んだ空気。鳥の声。環境はピカイチですよ。

ここカトリック仁川教会はコンベンツアル聖フランシスコ修道会に大阪高松大司教区から運営委託されていましてね。ええ、そうです。よくご存じで。あのアウシュビッツで殉教した聖マキシミリアノ・コルベ神父が来日して種を撒いた修道院です。聖堂前の園庭にはフランシスコの像も立っていますよ。そのフランシスコと同じ僧服を着た司祭たちが忙しく働いているのが上から見下ろせます。

えっ、私ですか?これは失礼、申し遅れました。私は教会鐘楼のうえにある鐘でございます。1950年に初めてこの地に聖堂が献堂されたときからミサの始まりを告げる仕事をしています。今の聖堂は二代目ですが、私はもう75年になりますね。仕事はそれだけじゃありません。毎年8月の広島・長崎の原爆忌にはそれぞれその時刻に私の音が響きます。それを耳にした子供たちが長く平和の尊さを語り継いで欲しいと願うものですから、これは止めるわけにはいきません。その時期、教会では平和祈願行事が行われます。今年は終戦後80年、それに今のような世界情勢ではいっそう大切な教会行事になってきましたね。

行事は夏ばかりではありません。春にはイースター、秋には七五三やバザー、冬にはクリスマスと、一年を通じていつも教会は賑わっています。この次はぜひクリスマスにお越しください。フルスケールのヒマラヤ杉のツリーは必見ですから。

賑わいはそれだけではありません。地域が国際化するのに伴って、国際ミサやベトナム語ミサも定期的に開かれています。ルーツの違う信徒が一緒に活動しているのを見ると嬉しくなりますね。もちろん、教会は初めての方のためには入門講座、もっと勉強したい人のためにはより深い勉強会も用意されていますよ。

そうそう、忘れるところでした。

仁川教会は「すべての恵みの仲介者聖母マリア」に捧げられた教会ですから、とりわけ聖母信仰が篤いです。聖堂入り口左に大きなルルドの祠があります。毎年5月、10月にはロザリオの祈りと共に、マリア祭、ロザリオ祭が開かれます。聖コルベも修道名に「マリア」をいただくほど聖母を慕い、敬愛していましたからね。そのDNAはきっちり受け継がれていますよ。


その他聖堂の中をご案内してあれこれご説明したいところですが、鐘のくせにお喋りだと言われそうなのでこの辺にしておきましょう。なにしろ風が吹いても喋り出すくらいですから、お喋りはかねがね自覚しておりますが、しばらくは「鳴り」を潜めておくことにします(笑)。