123【編集後記】鎌野 直人師
20世紀後半、キリスト教が環境破壊の元凶だと言われた時期がありました。創世記が語る「地を支配する」というのが、人が地上をその思うがままにすることを許可するものだとキリスト教会は理解していると批判されたのです。そのようなかたちで聖書を誤読して、環境を破壊してきたキリスト者たちがいたことも事実です。
しかし、注意深く聖書を読むと、環境破壊の原因が人の罪、それも偶像崇拝と貪欲であると主張していることに気がつきます。環境は人間の現状を映す鏡である、とでもいえばいいのでしょうか。傷んでいる環境は、罪によって傷んでいる人間の姿をそのまま表しているのです。
エコロジカルな聖書解釈は大切であり、聖書解釈は必然的にエコロジカルであるはずです。聖書は古代の文書であり、古代の様々な文化を映し出し、現代の私たちはときに眉をひそめますが、時代の最先端を切り拓く力も聖書にはあるのです。片手にSDGs、片手に聖書です。
クリスチャンセンター
神戸バイブル・ハウス 理事
関西聖書神学校 校長
鎌野 直人師