126【巻頭言】「新たな展開を求めて」神田 健次 師

クリスチャンセンター
神戸バイブル・ハウス 理事長
関西学院大学名誉教授

神 田 健 次 師

「新たな展開を求めて」

昨年度は神戸バイブル・ハウス(KBH)の20周年記念にあたり、4月の記念式典から始まり数多くの記念事業が開催され、12月の神戸文化ホールにおける神戸のクリスマスに至るまで実り豊かな20周年でした。また皆様から多額の記念募金を賜り心から感謝いたします。

新しい年度においては、通常の聖書セミナー等のプログラムの他に、より魅力あるプログラムによる財
政の健全化にむけて理事会主導で講演会や音楽会などの特別プログラムを企画し、新たな展開を求めてきています。過ぐる7月20日(土)には神戸栄光教会において、淀川キリスト教病院のチャプレンとして長年ホスピス療法におけるスピリチュアルケアに携わってこられた藤井理恵先生をお招きして「やすらかに、いのちを生きる ~ホスピスでおしえられたこと~」と題して特別講演会を開催し、引き続いてバロックヴァイオリンの平井誠氏とバロックチェロの野田祐子氏による音楽の集いを開催いたしました。    
これからのプログラムとして、10月13日(日)16時より、カトリック芦屋教会において芦屋キリスト教協議会の後援をいただき、著名な落語家 桂 春蝶師匠の平和といのちをテーマとした落語「ニライカナイで逢いましょう~ひめゆり学徒隊秘抄録~」を開催いたします。また11月30日?には、KBHにおいて高名な神戸大学大学院教授の宮下規久朗先生による「クリスマスと美術」について講演をしていただきます。そして来春の3月15日(土)には、テレマンコンサートをカトリック神戸中央教会において開催致します。テレマン室内オーケストラはバロックからベートーヴェンまでを専門とする室内楽団です。

これらの新たな魅力あるプログラムによって、友の会会員及び教会等の団体会員(イクトゥース)に新たに加入していただきたいと願っています。友の会では、7月6日(土)に難病の子どもたちの夢をかなえる「メイク・ア・ウィッシュ」の大野寿子氏の講演会がKBHで開催されました。また、11月9日(土)には新しい試みとしての友愛バザー、12月7日(土)にはクリスマス祝会が企画され、さらに来年初旬には、パウロが流れ着いた島「マルタ島」を巡る旅も計画されています。

他の諸団体同様、KBHもコロナ禍以降の困難な状況に直面しています。ローマの信徒への手紙5章3節以降には、「わたしたちは知っているのです、苦難は忍耐を、忍耐は練達を、練達は希望を生むということを。」という有名な聖句があります。パウロは忍耐と希望の間に練達という言葉を挿入しています。この練達という言葉の意味合いは、それまでの在り方を振り返って検証し大切な点を確証するということですが、そのような練達から希望が与えられるということではないでしょうか。