118 会員教会を訪ねて(43)日本基督教団 西宮教会

〒663-8245 兵庫県西宮市津門呉羽町7-36 TEL 0798-23-1950
HP https://www.nishinomiya-ch.com/church/

現在の「日本基督教団 西宮教会(以下:西宮教会)」は、戦後に二つの教会が合同して設立されました。一つは、1884年1月15日に浜鞍掛町に設立された西宮教会(以下:旧西宮教会)」と、もう一つは、1932年8月7日に千歳町に設立された武庫教会です。

旧西宮教会は、神戸教会の牧師や宣教師による開拓伝道を始めとして、当時の西宮南部の中心地(門前町・宿場町・港町・酒造業町)であった浜鞍掛町に設立されました。その後、度重なる無牧・兼牧の時代もありましたが、西宮市史によると『種々の迫害や圧迫にも屈せず、主として上流社会に信徒を獲得した』と記されています。地元の有力者によって、自給自足の精神で教会が守られてきました。

武庫教会は、当時の西宮北部の住宅地であった千歳町に設立されました。旧西宮教会は南部の海岸近くにありましたので、徐々に拓けていく北部の住宅地にも、教会の設立が求められたからです。西宮教会百年史によると『家庭的な親しみがあり、開拓伝道にふさわしくいきいきとした』と記されています。活気のままに、その二年後には、さらなる中心地(城ヶ掘町)で、会堂の建設に着手しています。

二つの教会は、やがて戦禍に巻き込まれていきます。特に旧西宮教会は、戦禍によって信徒が四散することになり、その後の管理は、棟方文雄牧師(当時の武庫教会牧師)に託されました。武庫教会も、空襲によって会堂の屋根が吹っ飛び、それによって解散危機にまで陥りましたが、割れた窓に新聞紙を貼った牧師館で礼拝を守り、牧師と残された数名の信徒と共に、教会の存続を決意するに至りました。

信徒の一人(杉本愛さん)が、当時のことを次のように語っています。『ここでごく少数の人達が毎聖日の礼拝を守った。時には牧師夫妻と一、二名の出席者だけということもあった。けれども、この時期こそある意味では私達の教会の黄金時代であったと言える。牧師と信徒の心はいつも一つで常に神のみ旨に従うことのみを考え、すべての事の上に聖霊の強い働きを感じた(西宮教会百年史98頁)』と。

戦後間もなく、二つの教会にとって、極めて大きな出来事が起こります。1948年3月28日の教会会議で旧西宮教会と武庫教会との合同が決議され、ここに現在の西宮教会が設立されました。その翌年には現在の津門呉羽町に新会堂が与えられ、さらに翌年に幼稚園も開園されました。また1976年に赤い屋根の教育館(現在のこひつじ幼稚園園舎)が建てられ、現在の教会・幼稚園の姿になりました。

今津駅(阪神・阪急)から一分ほど歩くと、赤い屋根に十字架が見えてきます。主日礼拝はもちろんのこと、平日の祈祷会や家庭集会を大切に守っている教会です。また日曜学校には、常時60~80名の子どもたち(幼稚科・小学科・中高科)が集まります。こひつじ幼稚園は、学校法人から新制度に移行しましたが、教会の祈りと共に、キリスト教保育に励んでいます。どうぞ、お祈りください。