110号【巻頭言】「シノダリティインマヌエルや四旬節」:前田 万葉 師

「待降節どうすればよいわたしたち」として迎えた、「成れかしと幸ひ成るやクリスマス」でしたが、早や、「シノダリティインマヌエルの四旬節」を迎える季節となりました。ただ変わらないのは、「シノダリティインマヌエル」です。いつも「神さまとともに歩む」ことです。幸いに、教皇フランシスコは、第16回世界代表司教会議のテーマを、「ともに歩む教会ために〜交わり、参加、そして宣教」と決めました。

これは、カトリックばかりでなく、またキリスト教ばかりでもなく、すべての民全体への呼びかけであります。せめてキリスト教会だけでもともに歩む道を深めたいものです。毎年行われている「キリスト教一致祈祷週間」は、この「シノダリティ」(ともに歩む姿勢)を体現しています。今年も「わたしたちは東方でその方の星を見たので、拝みに来たのです」をテーマに行われました。この数年は、大阪、神戸、和歌山で行われています。

しかし、年に一度の行事としてではなく、通常の姿勢として常態化されることを教皇フランシスコは望んでおられるのです。その意味でも「神戸バイブル・ハウス」の活動は「シノダリティ」そのものということになります。

ところで、もうすぐ四旬節に入ります。今年は3月2日(灰の水曜日)からです。旬間とは十日間という意味ですから四旬節とは、「40日間節」いうことです。イエス・キリストが公生活に入る前に、荒れ野で「40日」の試練を受けた期間に由来しています。まず、灰の水曜日に、灰を受け、「あなたはちりであり、ちりに帰りなさい」と、諭されます。それは、「40日という清めの期間」を通して神の前にも人の前にも謙虚に成るよう決意することを意味します。「ちりにしてちりに帰るや灰の式」と詠めるでしょう。また、洗礼志願者がこの四旬節を通して、清められ照らされて洗礼の恵みを受ける準備の期間でもあります。「志願者を清め照らすや四旬節」とも詠めます。

バイブルハウスも、今年は特に清められて、「シノダリティインマヌエル」(神様とともに歩む)を、ますますエキュメニカルに進めてまいりましょう。

クリスチャンセンター神戸バイブル・ハウス理事
カトリック大阪大司教区大司教・枢機卿