132【編集後記】KBH理事 関西聖書神学校 校長 鎌野 直人 師

現代人は本を読むとき、「黙読」します。ところが、古代から長きにわたって、聖書は「声を出して読む」ものでした。ですから、使徒言行録8章に登場するフィリポは、エチオピア人の宦官が馬車の中でイザヤ書を読んでいることに気づくことができたのです。そして、聖書は「音読される」としていましたから、聖書自身も、そのことばを「聞きなさい」と繰り返し語っています。聖書は音読されてはじめて、そして耳で聞かれてはじめて、そのことばの力を発揮するのかもしれません。
10月の後半に神戸バイブル・ハウスがもたれる第11回聖書リレー朗読会は、古代からの「聖書の音読とその聴聞」という聖書独自の文化を体験する時です。また、最近の日本語訳の聖書の多くが、オーディオブックにもなっています(「オーディオ版 聖書 聖書協会共同訳」「ともに聴く聖書」)。「目」だけではなく、「耳」で聖書を体験してみてはいかがでしょうか。

KBH理事
関西聖書神学校 校長
鎌野 直人 師