99号【編集後記】「奪い合えば足りず、分け合えば余る」テモテ遠藤 洋介 師

神戸聖ミカエル牧師補 執事 遠藤 洋介師

神戸聖ミカエル教会
牧師補 執事

新型コロナウイルスの脅威はヨーロッパに広がり、WHOが先日、今回の新型コロナウイルスをパンデミックと宣言しました。マスクや消毒用アルコール、次いでティッシュペーパーやウエットティッシュなどがドラッグストア、スーパーなどで品切れ状態になり、日常的によく使う消耗用品の不足は日本だけではなく世界中で不安と混乱を引き起こしています。
個人の欲望により必要以上の物を得ようとすれば、それは足りなくなり、それぞれがほかの人のことを考えて手に入れようとすれば、却って物に余裕ができるのです。


日常品の品不足は、誰かが自分のことだけを考えて有り余るほどに買い占め、それが同時多発的に起こったことで生産が追い付かなくなったために起こったのです。


「すべての人が食べて満腹した。そして、残ったパンの屑を集めると、12の籠いっぱいになった。」(マタイ14:20)
5千人の給食は奇跡の物語とされていますが、それは神様が魔法のような何かすごく大きな業をおこなったのではなく、分け合い、助け合うことの喜びを示されたのではないでしょうか。
こうした緊急事態にこそ分かち合うこと、助け合うことの豊かさ、大切さを改めて共有していきたいものです。