104号【編集後記】「空を仰ぎ見る」明石聖マリア・マグダレン教会牧師 司祭ダビデ林 和広

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「空を仰ぎ見る」

昨春から明石での新生活が始まリましたが、我が家の子供たちは教会の近くにある明石市立天文科学館に足繁く通っています。

プラネタリウムが大好きで壮大な宇宙の世界や星について嬉しそうに語ってくれます。夜になるとベランダに出て夜空を見ながら子供たち同士であれこれと語り合っています。私も夜空を見るようにと促されますが、「あとでね」と言いながら他の雑用に没頭し、結局、夜空を眺める時間を失う、その繰リ返しでした。

そのような中、ある黙想の時間の中で詩篇8編を味わう機会が与えられました。それは「あなたの指の業である天をあなたが据えた月と星を仰ぎ見て、思う。人とは何者なのか、あなたが心に留めるとは。人とは何者なのか、あなたが顛みるとは」という神の創造の御業を想起させ、心を天へと上げるようにと招く詩(4-5節)です。

昨年から世界中を震撼させたコロナ感染症は今もなお猛威を振るい、私たちの世界に暗い影を落としています。その他様々な暗い出来事が覆い被さっています。地上は憂い、悲しみ、暗闇に満ちています。しかし、神は必ず、この世界の憂い、悲しみ、暗閻を取り去り、希望と光を注いでくださることを、空を仰ぎ見、心を天に上げて、想い起こしたいものです。

明石聖マリア・マグダレン教会牧師 司祭
ダビデ 林 和広