112号【巻頭言】「聖書と心の耳」:有木 義岳 師
クリスチャンセンター神戸バイブル・ハウス理事
KBH展示委員会委員長
神戸ルーテル神学校助教授
有木 義岳 師
聖書は諸国語に翻訳され広く読まれています。世界の言語は7000ほどありますが、そのうち聖書翻訳完了の言語は新約聖書が1550、旧約聖書が700と報じられています。翻訳された聖書は文字で紙に印刷したものや液晶画面の映像で読まれます。
人々の関心は聖書よりもその時代に流行している思想、信念、学説などに向けられますが、キリスト教の信仰は時代を超えて聖書のみに依拠しています。イエスさまは言われた「わたしの羊(クリスチャン)はわたしの声を聞き分ける」。ヨハネによる福音書10章27節
イエス様を救い主と信じたクリスチャンたちは聖書を読んで〈イエスさまの声〉を聞き分けた人たちです。その救いはこう説明されています。「わたしたちはこの御子において、その血によって贖われ、罪を赦されました。これは神の豊かな恵みによるものです」。エフェソの信徒への手紙1章7節
聖書の文字を読む人は多くあり、その教え、思想を読み取り、聖書が時代にもたらした文化、文明、学問、社会への影響を指摘されます。しかし、そのような読み方にとどまらない〈イエスさまの声〉を聞き分ける読み方をお勧めします。聖書の普及を目的としている神戸バイブル・ハウスです。すべての教会の福音宣教とすべてのクリスチャンによるあかしによる伝道により、聖書のことばを知識としてだけでなく〈イエスさまの声〉として聞き分けて、偉大な救いにあずかる人々が教会に加えられることを祈ります。