108号【巻頭言】カトリック芦屋教会主任司祭 川邨 裕明

クリスチャンセンター 神戸バイブル・ハウス 副理事長
カトリック芦屋教会 主任司祭
川邨 裕明

今回、神田健次理事長とともに副理事長に選出されました、川邨裕明と申します。よろしくお願いします。まだ、右も左もわからず右往左往していますが、どうか温かい目で見守っていただければ幸いです。

コロナ禍に襲われ、教会活動が停滞する中で、いくつか始めたことがあります。ひとつは、祈りです。
毎日のミサ、教会の祈りはそれまでも続けてきましたが、ある日、ツイッターのつぶやきに目が留まりました。

2020年の3月、まだ新型コロナの感染が広まりつつある中でした。発信者は、東大寺の僧侶、森本公穣(もりもとこうじょう)師でした。「東大寺では、正午にコロナ退散を願って祈ることになりました。趣旨に賛同してくださる宗教家の参加をお待ちしています」とのことでした。

ちょうど、教会でのイベントがすべて中止か延期されることになり、教会活動もできなくなる中で、このままでどうなるのだろうかと暗澹たる気持ちに襲われていた時期でした。祈りによってつながることができる、率直にうれしくなりすぐに参加させてくださいと返信しました。
それから今まで、ほぼ毎日、その日の祈りの意向をSNSに発信しながら、祈り続けています。

旧約聖書の詩編なども祈りに取り入れてゆきました。祈り続ける中で、旧約時代、そしてイエスの時代にコロナ禍の現代が重なってゆきました。社会の情勢、そして人々の気持ちの動きは、現代も聖書の時代も同じ部分があったのではないでしょうか。そのような話をする機会があればと思っています。

もう一つは、私も遅ればせながらユーチューバーデビューして、「聖書よもやま話」をYouTubeにアップするようになったことです。始めたのは昨年9月でした。教会学校が活動停止となるなかで、芦屋教会と甲子園教会合同でデイキャンプを実施することができました。そこで聞いた、子どもたちが教会に来ることができなくなって信仰教育をどうしようかと悩んでいる保護者の声にこたえて、せめて主日のメッセージを子供向けに発信できないかと思ったのです。どうにか一年間続けることができました。発信することで改めて勉強になることもありました。

コロナによってさまざまな制約があるものの、新しいチャレンジの機会であったり、新しい発見もあったりして、悪いことばかりではないと感じています。

神戸バイブルハウスもコロナ禍によって活動もままならず、経済的にも危機を迎えています。そのような状況の中でも、新しい活動様式を見つけ出して、新たな成長を目指したいと考えます。皆さまの変わらぬ支援をよろしくお願いします。