111号【巻頭言】「ウクライナに“平和の福音”を!」:吉田 隆 師
ハンガリーにおける最古・最大のプロテスタント教会は、改革派教会です。16世紀の宗教改革時代に、その起源を持っています。そのハンガリー改革派教会との協力関係の中で、荒みつつある今日の青年たちに福音を届けるために、この5月に神戸の地から川瀬弓弦教師(改革派・恵泉教会)が宣教師として、ご家族と共に遣わされる予定でした。ところが、ロシアによるウクライナ侵攻によって、今や大量の難民が国境を接するハンガリーにも流れ込んでおり、予定通り渡航できるかどうか、また渡航できたとしても住居を確保できるかどうか、全くわからなくなりました。
実は、ウクライナは多民族国家故に多くのハンガリー人もおり、川瀬先生のお連れ合いのイダ姉もウクライナ出身のハンガリー人なのです(3月7日付『神戸新聞』の記事参照。インターネットでも読めます)。現在、現地教会や避難した親族とも連絡を取りつつ、スケジュールや働きの調整を行っているところです。青年伝道の働きの重要性もさることながら、今はむしろ難民への支援が求められているからです。
ちなみに、神戸バイブル・ハウスを後援してくださっている日本聖書協会では、ウクライナ聖書協会の要請に応じて、「ウクライナ聖書支援募金」の受付を開始しました(詳しくは日本聖書協会ホームページ参照)。戦禍の中にいるウクライナの人々や難民に聖書を届ける働きをするためです。
「エルサレム、ユダヤとサマリアの全土、さらに地の果てまで、私の証人となる」と言われた主イエスのお言葉は、エルサレムに起こった大迫害を期に現実化していきました(使徒8:1以下)。主は不思議なことをなさいます。かの地に一日も早く平和が訪れますように、何よりも人々の心に“平和の福音”が届けられますように、祈りを熱くしたいと思います。
クリスチャンセンター
神戸バイブル・ハウス理事
KBHセミナー委員会委員長
日本キリスト改革派甲子園教会牧師
神戸改革派神学校校長
吉田 隆 師