110号【編集後記】「福音に生きる」司祭 ダビデ林 和広
英国聖公会主教で聖書学者のトム・ライト主教の著作がここ数年の間に何冊か翻訳されています。学術的な神学書からクリスチャンでない人でも読めるような書物まで、あらゆる著作を著していますが、ライト主教が繰り返し訴えていることは、聖書を読み学ぶことの大切さだけでなく、イエスがもたらしてくれた福音を実践し、福音に生きるということです。
ライト主教はイエスがもたらした福音?良い知らせ?はこの世界を根底から揺り動かし、すべてのものが一新され、その完成に向かって新しい世界が開かれていることを宣言するものであるといいます。
今はその完成に向かっての途上にあり、私たち一人ひとりが神さまの器として用いられ、神さまと共に活き活きと生きることへと招かれているのです。
「話が大きくてよくわからない」と言われそうですが、福音は自分だけの幸せのためにあるのではなく、私たちが置かれている場所がよりよくなるため、分かち合われるためにあることを心に留めておきたいものです。