138【会員教会を訪ねて】その60 王たるキリストカトリック伊丹教会

〒664-0882 伊丹市鈴原町1丁目9-1 TEL 072-772-2487

“王たるキリスト”カトリック伊丹教会の歴史は、第二次世界大戦の直後、「オブレート会[汚れなきマリアの聖母献身宣教会](1816年にフランスの聖ウジェン・ド・マズノによって設立)」の宣教師たちが阪神間で草の根の巡回宣教を始めたことから始まります。

この宣教活動に深く共鳴し、伊丹における教会の礎を築く大きな推進力となったのが、当時の伊丹市長であり、著名な国文学者でもあった岡田利兵衛(おかだ りへえ)氏(「柿衞文庫(かきもりぶんこ)」を設立)でした。1949年4月29日、岡田利兵衛氏宅で、マックベネット神父の司式による伊丹で最初のミサが執り行われました。これが伊丹教会の誕生であり、同年5月に正式に小教区として発足しました。

教会の“王たるキリスト”という名は、王であるキリストを守護者として捧げられたことに由来し、修道会の神学的精神を反映しています。
1966年には、当時の枢機卿・田口芳五郎大司教の司式のもと、現在の厳かな大聖堂の献堂式が執り行われました。

また、1950年創立の隣接する「王たるキリスト幼稚園」は、教会と深い絆で結ばれています。モンテッソーリ教育を通じて子どもの自発的な成長を育み、地域社会と教会を繋ぐ架け橋となってきました。

新型コロナウイルス感染症の世界的流行という大きな試練を乗り越え、2024年4月に新たな主任司祭(11代)として着任されたのが、インド出身のイル神父です。着任直後の4月29日、信徒と共に「創立75周年記念ミサ」を盛大にお祝いしました。

「道があるから歩くのではない、歩くから道が生まれる。
同じように、信者が集まったから教会が生まれました。
王であるキリストの道を歩むための勇気と恵みをもって進みましょう」
(イル神父メッセージ)

この節目は、これまでの恵みに感謝し、明るい未来へ踏み出す契機となりました。

現在、伊丹教会は「自分自身、周りの人たち、そして神によって造られたすべてのものを思いやり、大切にする教会を目指します。静かに祈り、尊敬をもって語り合い、主の教えを宣べ伝えます。」という「伊丹教会のビジョン」を掲げています。このビジョンのもとで特に重視されているのが、日々の生活に根差した「温かいコミュニティづくり」です。

教会では、世代を超えた多様な活動が活発に行われています。信徒の親睦を深める「バーベキュー」や、幼稚園の園児や近隣の人々が賑わう「バザー(フェスタ)」は、世代を超えた大切な交流の場です。また、第3土曜日に開催される成人男性の集い「三土一致(サンドイッチ)の会」では、神父を囲んでアットホームに語り合い、時には女性陣も交えた拡大版でさらに親睦を深めています。

先輩たちが必死に蒔いてくれた福音の種を大切に受け継ぐ「継承」、そして今この日本で必要とされている新しい使命へこぎ出していく「開拓」。その両方を識別する「勇気」を共有しながら、伊丹教会はこれからも、訪れるすべての人の居場所であり続け、地域社会をキリストの愛で照らす温かい光として、共に一歩ずつ未来への道を創り続けていきます。