138【巻頭言】「隣人とはだれか?( ルカ10・25~37)KBH理事 大阪高松大司教区大司教 前田 万葉 師

毎年9月23日は、「手話言語の国際デー」です。社会全体で手話言語についての理解や識を高める日です。最近では、手話通訳ばかりでなく要約筆記も盛んになりましたが、「点字」など目の不自由な人に対しての合理的配慮も含めて障がいがある人たちへの理解や意識を高めることにしたいものです。そして広く、病者・障がい者など、すべての苦しんでいる人たちに目を向けることが大切です。また、病者・障がい者のために尽くし、苦しむ兄弟姉妹に寄り添うという召命を与えてくださったことを神に感謝する社会になって欲しいと思います。
今年の「第34回世界病者の日」(2月11日)に、教皇レオ14世は、「サマリア人のあわれみ ― 他者の苦しみを担うことで愛する」というテーマでメッセージを出しました。「わたしはこの機会に、病者をはじめとした困窮する人々、苦しむ人々に注意を向けるために、よいサマリア人の姿をあらためて提示したいと望みました。サマリア人が傷ついた人を見たとき、『道の向こう側を通る』ことなく、その人に対して開かれた注意深いまなざしを、すなわちイエスのまなざしを向けました。」と語ります。また、「どのように隣人になるのか、実際、進んで人に近づかなければ、だれも隣人にはなれません。キリスト者は、傷ついた人類に近づいてくださった神なるまことのサマリア人、キリストの模範に従って、苦しむ人々の隣人となるのです。」と説きます。そして、「サマリア人は、あの男の人の面倒を見てくれる宿屋の主人を求めました。わたしたちも広く呼びかけて、小さな個の集合よりも強力な『わたしたち』に巡り合うよう招かれています。病者のケアが教会の使命の『重要な部分』であるだけでなく『教会的な行為』であることを示しました。わたしたちは、神への愛によって燃え立たせられるとき、すべての苦しむ人、とくに病者、高齢者、苦難のうちにある兄弟の善のために真に自分をささげることができるのです。すべての病者とそのご家族、介助者、医療従事者、医療司牧に携わる人々、とくにこの『世界病者の日』に参加する人々に、心からわたしの使徒的祝福を送ります。」と結んでいます。
カトリック大阪高松教区では、特別に日程を変えて毎年9月23日に、「病者・障がい者と共に歩むミサ」を行っています。今年も教皇レオ14世の祝福のうちに、災害や紛争・戦争下で病者・障がい者が置かれた困難に思いをはせ、ミサ献金を被災障害者支援「NPOゆめ風基金」に捧げることにしています。また、第6回祖父母と高齢者のための世界祈願日2026年9月20日のテーマも「わたしがあなたを忘れることは決してない」ですし、「すべての命を守る月間」も毎年9月1日から始まり、10月4日まで続きます。傷ついた人類に近づいてくださった神なるまことのサマリア人、キリストの模範に従って、苦しむ人々の隣人となりたいものです。

