投稿者 : kbhadm01 投稿日時: 2020-04-20 14:24:53 (54 ヒット)
神戸栄光教会牧師 野田  和人 師「共に仕えるために」

これは、日本基督教団世界宣教委員会が教団派遣の宣教師の方々や関係教会を覚えて毎年発行している冊子の名前です。

祖母の代からのクリスチャンホームで育った私は、2002年4月、46歳の時に献身を志す前、大学を出て1981年から1996年までブラジル・サンパウロに居住し、そろばん教師、結婚、家庭教師と自由な生活を楽しんでいました。

帰国して6年後に献身し、3年間の関西学院大学神学研究科の学びの中で再びブラジルと向き合うことになったことから、今日の世界宣教を覚えて毎年発行されるこの冊子は、ブラジルの日系教会や教団派遣宣教師が遣わされているブラジルの教会が載っていることもあって、いつも手元に置いています。宣教師の皆さんのご苦労を覚えつつ、「共に仕える」ことのできる恵みを心から感謝しています。

イエスさまにとっての「仕える」ことは、ご自身をすべての人のための身代金として献げ尽くすことにおいて表されました。

それは、私たちの硬直した命を罪の中から買い戻して、また新たに弾力を与えて生かすという行為でした。

私たちの功績によってではなく、私たちの反抗、無知、過ち、愚かさにもかかわらず、イエスさまは私たちのために生き、そして死んでくださった。

そのようにして「仕える」ことの究極の姿を私たちに示してくださいました。

「あなたがたの中で偉くなりたい者は、皆に仕える者になり、いちばん上になりたい者は、すべての人の僕になりなさい」。この「仕えること」に執着する歩みこそが、私たちの主への応答なのだと思います。

このことをあらためて示されたのが、ブラジルから帰国後、献身をして実践神学ゼミでの修士論文に取り組んだ時でした。

『ブラジル日系社会におけるキリスト教宣教』というテーマに取り組む中で、在伯当時私が通っていた自由メソジスト・サウデ教会の岡田カチア牧師との再会、単立サンパウロ福音教会の小井沼國光牧師との出会いは、かつてブラジル社会の大きな矛盾を感じながらもそこでの生活を楽しむ側にいた自分に、そうではない生き方があることをあらためて生で示してくださった本当に得難いものでした。

キリストへの回心、聖霊が働いてキリストへと向き直らせてくださることを実感した二度目の瞬間でした。イエスさまは、かの地の人々を通してこのようにも仕えてくださったのでした。

「あなたがたは仕えられるためではなく、仕えるために、それも共に仕えるために、互いに仕え合うために私が遣わした者たちなのだから」と語ってくださる主イエス・キリストの召しに応えて、私たちに与えられている信仰を示しつつ、皆さんと共に日々の課題に取り組んでいきたいと心から願います。

クリスチャンセンター神戸バイブルハウス  理事
神戸栄光教会牧師
野田  和人

投稿者 : kbhadm01 投稿日時: 2020-02-11 17:08:46 (157 ヒット)
白井 進さん「バイブルハウスの使命」

見よ、兄弟が共に座っている。なんという恵み、なんという喜び。詩編133:1
教会は神の家族と言われます。私たちはそれぞれ家族がいて、家庭の中で育ってきました。それ以上になぜ神の家族が必要なのでしょうか。

イエスが多くの人々と話をしている時、母と兄弟たちがイエスに会いたいと、取り次ぎを頼んだ。その時、イエスはこのように答えた。「わたしの母とはだれか。わたしの兄弟とは誰か。」そして、弟子たちを指さして言った。「ここに私の母、わたしの兄弟がいる。神のみ心を行う人こそ、わたしの兄弟、姉妹、また母なのだ。」(マタイ12:46-50、マルコ3:31-35、ルカ8:19-21)

このことは、イエスが、血縁の家族と仲たがいしていたとか、家庭をないがしろにしていたとかを言っているのではありません。イエスが家を出て神の国を宣べ伝える伝道の働きをした時、初め身内の人はイエスを取り押さえに来たというほどに、無理解でした。(マルコ3:21)しかし、イエスが十字架の上で死なれた後、弟子たちが母マリアを引き取り、兄弟のヤコブも教会の指導者になるほどに(ガラテヤ1:19)、イエスの理解者となったのです。
イエスはここで血縁の家族も家庭も、結ばれる大切な要素がなければ、壊れやすい関係であると語っているのです。
大切な要素とは何でしょうか。家族も家庭も神によって作られた関係であり、神の愛がそこに満ちるとき、良いものとなるのです。

英語でアットホームと言われるように、家庭がくつろぎの場であり、思いやり、優しさ、いたわり、理解、楽しさ、分かち合い、支え合い、許し合い、注意し合う気配り、安心に満ちていることが大切なのです。それには神を中心に祈りの交わりが不可欠なのです。
家庭がこの大切な要素を失うとき、危機が訪れます。一言でいうと大切なのは、聖書の言うアガペーの愛です。アガペーとはギリシャ語で無報酬の愛、無償の愛です。イエスは言われました。神からタダで受けたのだから、タダであたえなさい、と。
神戸バイブルハウスは聖書の魅力を伝える神の家族を目指して、カトリック教会、聖公会、プロテスタントの諸教会が教派を貫通し、協力して作られた、交わりと出会いと対話の場です。ここで神の言葉の力が証しされ、ここからその魅力が発信されるとき、バイブルハウスは救いの光が輝く場所となることでしょう。

クリスチャンセンター神戸バイブルハウス 理事
日本基督教団牧師・網干教会牧師代務者
白井 進 師

投稿者 : kbhadm01 投稿日時: 2020-01-18 14:52:41 (113 ヒット)
神田 健次さん「ウルリヒ・ルツ先生と影響史的解釈」

10月13日、スイスのベルン大学名誉教授のウルリヒ・ルツ先生が逝去されました。心より哀悼の意を表します。享年81歳でした。

ルツ先生は、チューリヒ大学神学部で博士号・教授資格を得た後、1970年から72年まで国際基督教大学と青山学院大学で客員講師として教鞭をとられ、その後、1972年からドイツのゲッティンゲン大学で、さらに1980年からはスイス・ベルン大学で新約学の教授を務めました。ルツ先生に関しては、『EKK(プロテスタント・カトリック共同の聖書註解)新約聖書注解マタイによる福音書』(全4巻1985-2002年、邦訳:小河陽訳、教文館)によって、すでに日本でもその学問的業績がよく知られています。専門の新約聖書学の分野では、マタイ福音書注解の他、学位論文の『パウロの歴史理解』をはじめ数々の学術的著書を刊行され、また国際新約聖書学会の会長も歴任されるなど、国際的に著名な神学者でした。

筆者が、1971年4月に青山学院大学文学部神学科に三年編入した時、ルツ先生の新約聖書神学の講義を受講する機会がありました。初めて耳にするスイス人のドイツ語で高度な講義内容を展開するルツ先生と、その傍らで機関銃のような速度で通訳する佐竹明先生、お二人の先生による魅力的な講義は圧巻であり、心深く残っています。その後、約四半世紀後、ルツ先生と不思議な再会の時が訪れました。関西学院大学神学部とベルン大学神学部が学部間協定を締結する直前に半年間、客員研究員としてベルン大学神学部で研究期間を過ごした折、ルツ先生と再会し、大変お世話になりました。一度、山内一郎先生ご夫妻がベルンに来られた時には、当時ベルン大学に留学中であった辻学ご夫妻や嶺重淑氏、そしてフォーレンヴァイダー学部長ご夫妻と共に、ルツ先生宅にお招きを受け、楽しいひとときを過ごした思い出は忘れがたいものです。

そして、2004年には半年間、ベルン大学神学部と関西学院大学神学部との学術交流協定に基づいて関学神学部の客員教授として講義を担当して下さり、学生たちにも大きな影響を与えられました。また、東京や九州などでも特別講演を引き受けられ、その講演集『マタイのイエス:山上の説教から受難物語へ』(関西学院大学神学部編、日本キリスト教団出版局、2005年)も出版されています。また、このように関係の深い先生に、2005年9月には関西学院大学より名誉学位が贈呈されました。

ルツ先生の世界最高水準のマタイ福音書註解書は、教会の説教準備においても大変有益ですが、筆者の研究的関心で特に興味深いのは、註解書でも適用されている「影響史的解釈」という方法です。『講演集』収録の「影響史的解釈学と聖書の教会的解釈」によれば、影響史は、カトリック教会の「伝統」に対して、プロテスタントの聖書解釈を新しい洞察へと導くだけでなく、さらに、プロテスタント教会がこれまで軽視しがちであった非言語的領域に対する新たな理解をもたらすものです。影響史は、「言葉が聖書テキスト解釈の唯一の媒体ではなく、絵画、演劇、舞踏、音楽なども、聖書のテキストへの応答であり」、人間の信仰心全体に関わる聖書解釈を取り戻す手助けと言えるでしょう。このようなルツ先生の提唱する影響史的解釈は、当時、非欧米圏、特にアジアや日本のキリスト教美術を、福音の文化的受肉化、インカルチュレーションの課題として考えていた筆者にとって、重要な示唆を与えてくれるものでありました。神戸ゆかりの小磯良平、田中忠雄、堀江勝氏などの画家のキリスト美術も、このような聖書解釈の豊かな地平において新たな意味と楽しみをもたらしてくれるのではないでしょうか。

クリスチャンセンター 神戸バイブル・ハウス理事
神田 健次 関西学院大学名誉教授

投稿者 : kbhadm01 投稿日時: 2019-10-13 06:30:19 (187 ヒット)
鎌野 直人 理事  家を建てる

家を建てることは決して簡単なことではありません。
現在、私が奉職している関西聖書神学校では、新校舎建築が進んでいます。

筆者は、このプロジェクトの一番最初から関わっていることもあって、ほぼ毎日、設計事務所や工務店の方がたとお話をする機会があります。これまで礼拝堂建築に携わったことのない者が、このような大きな建築プロジェクトに関わっていますから、現場の方がたから多くのことを教えていただいています。

現在、神戸市のあるゼネコンがこの建築を請け負っておられ、多くの関連企業の方がたや職人の方がたがお越しになり、様々な作業が順序正しく進められています。そして着実に校舎は建て上げられています。このような作業を見て感じるのは、家を建てることは決して簡単なことではない、という当たり前のことです。

神戸バイブルハウスが聖書を通しての教会一致促進運動を願っていることは皆さんもご存じのことと思います。カトリックからプロテスタントまで、キリスト教の様々な教派の方がたが集まってその働きを進めています。

「教会一致促進運動」は英語で「エキュメニズム」と呼ばれ、この言葉の背後にはギリシア語の「(家を)建てる」という語があります。ですから、たとえて言うならば、一緒に家を建てるプロジェクトに取り組んでいるのが神戸バイブルハウスなのです。

しかし、家を建てることは決して簡単なことではありません。
そして、この家の建築がいつ完了するのか、分からないのも事実です。
それでもなお、家を建て続けているのです。

旧約聖書で家を建てるのは知恵です。「知恵は自分の家を建て、石の柱を七本、切り出し」(箴言9:1[新改訳2017])とあるとおりです。そして、知恵は、街行く人がこの家に立ち寄るように招いています(9:4-6)。

私たちが共に家を建てる働きにも、これまで以上に知恵が必要です。そして、家を建てるのは、そこに人びとを招くことが目的であることをも忘れてはならないことです。

これからも続けられる神戸バイブルハウスの働きのためにお祈りとご協力をよろしくお願いします。

クリスチャンセンター神戸バイブル・ハウス理事
関西聖書神学校校長 / 日本イエス・キリスト教団姫路城北教会 牧師

鎌野 直人 師

投稿者 : kbhadm01 投稿日時: 2019-08-12 09:45:17 (217 ヒット)
日本フリーメソジスト神戸ひよどり台教会牧師/尼崎西教会 牧師 大嶋 博道「主の豊かな食卓に招かれて」ヨハネ21:9~19

福音書には、イエスがレビや徴税人など、当時のユダヤ社会の中で罪人と呼ばれていた人々と共に食事をされた場面が多く紹介されています。当時のユダヤ人にとって一緒に食事をするということは、相手を全面的に受け入れ、豊かな交わりをする一つの象徴、しるしでした。

テキストによると、復活されたイエスはガリラヤに行かれ、漁師のペトロやヤコブやヨハネたちにご自身を現わされました。一晩中、漁をして何も獲れなかった彼らに、イエスは「子たちよ、何か食べるものがあるか」と問われ、「さあ、来て朝の食事をしなさい」と、言われました。

一度はイエスを裏切った弟子たちとイエスとの食卓には、彼らのその後の生き方を変える大きな意味があったのです。幾つかを紹介します。

①喜びの食事―第一に、「食事」は「喜び」を表わします。
聖書は、神の国の喜びを「祝宴」にたとえています。ルカ15章の放蕩息子のたとえにあるとおりです。ガリラヤの弟子たちは、自分たちが一度は見捨てたイエス、裏切ったイエスが「さあ、来て朝の食事をしなさい」と言われた時、どれだけ嬉しかったことでしょうか! その食事はどれだけ喜びに溢れたひと時だったでしょうか!

②和解の食事―第二に、食事は「和解」を表わします。
パレスチナの一部に今でも残る風習に「スルハ」があります。これは敵同士であった者が、和解をする時に、そのしるしとして食事をするという風習です。イエスを裏切り見捨ててしまった弟子たちは、まさか、イエスが自分たちといっしょに食事をしてくださると思ってもみなかったことでしょう。ガリラヤ湖畔での食事は、イエスと弟子たちの和解の時であり、新しい関係を築き、再び、使命を与えられる神秘的で大事なひとときだったのです。

③いのちの食事―第三に、「食事」は「いのち」を表します。
食事を共にするという行為は、「いのち」が尊ばれ、生き生きとした活力に育まれて人と人とが共に生き、生かされていくことの表れであり、神の国の実現の見える「しるし」なのです。

ウイリアム・ハントの『世の光』の絵画のように、イエスは私たちを「真のいのちへと至る食卓」へと招いておられます。心からこの招待に与りましょう。祝福をお祈りいたします。

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